本来はクラシックのピニストとして有名なフリードリッヒ・グルダですが、ジャズ・ピアニストと しても1956年にニューポート・ジャズ・フェスティバルに出演するなど積極的な活動を行なっています。僕のジャズの師匠の渋谷のジャズ屋さんのおやじさんが、10年ほど前に雑誌ジャズ批評に“私の好きなジャズ・レコード”として、このグルダのピアノ・トリオの作品を紹介していました。そんなこんなで彼の事が気になりこのアルバムを買ったのですが、2回程聞いただけでした。アルトのフィル・ウッズの他にホーンが3本入っている多編成がその原因なのか、クラシック臭さがあったのか、単につまらなかっただけなのか、今夜確認してみます。
アドリブで聞かれる手癖とペダルの使い方にクラシックの人だと感じますが、これはそー思って聞けば・・・の話で、オリジナルティ豊な、繊細だが力強さがあるジャズ・ピアニストです。このアルバムでは4本のホーンのアレンジに力が入ってますね。“air from other planets”で聞かれるアンサンブルは、当時の主流の平行和音とは違った、面白いものを聞かせてくれます。1曲だけピアノ・トリオで演奏しているのが、ガレスピー作の“night in tunisia”です。アップ・テンポのアドリブでの気持ち 良くなるフレーズの数々を聞いていると、ピアノ・トリオ・アルバムをじっくり聞きたくなります。この録音の10年後にコロンビアに吹き込んだトリオ作品を、早く入手したいのですが、何せ入手困難で・・・・。