2004年1月31日掲載
Art Farmer      From Vienna With Art
MPS原盤          1970年9月録音

 この時期のファーマーは、欧州と米国を行ったり来たりしており、また1960年代後半からはジミー・ヒースとしばしば活動しておりました。この作品にもヒースは参加しており、パウアーのピアノ・トリオと共に吹き込んだ作品です。

 タイトルにはウィーンとありますが、録音場所はドイツのフィリンゲンであります。

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 ウィーンと言えば、ウィーン・フィルハーモニーである。新春コンサートである。今年はムーティが振っておりました。NHKでのゲスト解説に何故か夏木マリが出演していたが、ムーティの髪を乱して指揮する姿が素敵だそうだ。

 兎に角、芸術の都である。欧州ジャズというのは、クラシックの伝統ある欧州で、つまり幼いころからの楽器の稽古に励む子供が多い土地柄で、何故かジャズに目覚めた人が弾くことで得られる空気感が魅力なのだ。

 オーストリアなら、なお更の事だ。そんな土地柄なのである、と欧州に行った事が無い僕は勝手に思っている。

 しかし、アート・ファーマーが感じたウィーンは、サンバなのだ、ラテンなのだ。そんな熱気で包まれた作品が、この「From Vienna With Art」だ。内容は非常に高いもので、ファーマーの諸作の中で突き抜けているものではないが、忘れ去られるものでは決してない。

 タイトルを変えよう、ジャケットを変えよう。そうすれば、ファーマーの名盤の誕生である。