レナード・フェザーが名付けたヴォーカリーズとは、器楽曲の名演をそのアドリブ・パートまで含めてヴォーカル化することである。その先駆者的存在がキング・プレジャーであり、今日取り上げるこの作品は、そのキングの1950年代全般にプレスティッジに残したものを、集めたものであります。
また、ヴォーカリーズを世間に大きく注目させたのは、言うまでも無くランバード~ヘンドリックス~ロスです。この作品に、ロスの歌が4曲だけ収められております。
言ってみればこの作品、プレスティッジのヴォーカリーズ寄せ集め盤と言えるものであります。
歴史的に貴重なセッションに触れ、知識として参考になってキングの方は聴き終わった。
ロスに移ったところ、いきなりドスの効いた歌声。ワーデル・グレイは1949年に演奏した「トゥイステッド」のロスの歌いっぷりは、迫力と知性を感じさせる圧倒感がありました。