エッタ・ジョーンズは1960年から3年の間に7枚の作品を吹き込んでおり、この作品はその中間点にあたる作品だと思います。バック・メンバーに関しては、「Don't Go To Strangers」と比べたら小粒ですが、やはりコンボでジョーンズの歌を支えております。
控えめながら気持ちよく響くドラムに感心し、クレジットを見ればエド・シャーネシーとあり、無名でもこんなに上手い人がいるとは驚きながら「ジャズ人名辞典」で調べれば、自分の無知を恥じるだけの結果になりました。
有名な方なんですね、シャーネシーは。チャーリー・ベンチュラを振り出しに、グッドマンなどの著名な所で活躍した方だとか。そして、ツイン・バス・ドラを世で初めて採用した方だとか。ツイン・バス・ドラと聞くと僕などは、ボンゾのそれを思い出し派手な演奏を想像しますが、実際のシャーネシーの演奏は前述の如くであり、ジョーンズの歌を光らせるものであります。
そのジョーンズは、落ち着いた曲を中心に取り上げており、「Don't Go To Strangers」で触れた通りの個性を発揮しながら、貫禄が出てきております。趣味の良いヴォーカル作品です。