プレステッジを集めていたので、バーバラ・リーという歌手がこのレーベルに残した2作品は1980年代後半頃に買っておりまして、すっかり有名な方だ思っておりました。久しぶりに本作品を手に取り解説を読めば、日本では今日取り上げる作品が1988年に発売されたのが、初めての国内発売とのこと。
ワイリー系と称される彼女が注目されるきっかけは、1955年にリバーサイドに吹き込んだ初作「A Woman In Love」によってでした。玄人筋からは高く評価された彼女は、翌年にダウンビートで新人歌手1位に選ばれたほどでした。
しかしながら、一般的な評価を得るまでには至らず、1956年と1957年にプレスティッジに2枚の作品を残し、レコーディング上では20年間の沈黙となったのです。
ジョニー・ウィンドハースト(tp)が仕切っているコンボをバックに、スタンダードを吹き込んだものであります。
暖かな歌声でしっかりと歌う歌手で、ワイリー系という世間の評判(?)は少し違う感じなのですが、彼女自身によれば、歌詞やメロディを変えないこととと選曲の重要性をワイリーから学んだそうである。この作品では渋めのしっとりとした曲を多く取り上げており、ワイリーから学んだことが理解出来るものとなっている。
有名な曲としては「gee baby, ain't I good to you」を取り上げていて、真正面から歌自体に取り組んでおります。
聴き込むほどに愛着が出てくる作品と、言える内容です。