モダン・ジャズ黄金期の輝かしい作品を豊富に要するプレスティッジ7000番台の最初の作品は、テイラーさんのものであり1955年の録音でした。今日取り上げる作品は7071番でありながら録音が1953年と1954年のものでることから、10吋で発売された作品のLP化なのでしょう。そんな例のビリーの作品は他にもありまして、コンガのキャンディドとの作品は、以前ここで取り上げましたね。
8曲が1954年のセッションからのもので、Earl May(b) と Percy Brice(d)とのトリオ。4曲が1953年のもので、Machito's Rythm Section とのセッションです。
歌心満載のビリーさんのピアノは、この作品でも絶好調であり、その白眉が「Lullaby Of Birldland」と「Good-Bye」と続く展開であります。力強く前者を決めており、パウエルの早弾きを聴き易くした感のピアノには、惚れ惚れ。
続く「Good-Bye」はベニー・グッドマン楽団で御馴染みであり、クリス・コナーでも有名な曲。ややもすると甘いムードだけで終わってしまう曲を、最後までその気にさせて聴かせるビリーのセンスの高さには脱帽。
彼の魅力は、確かな演奏技術と、歌を聴かせるセンスなのであろう。
そう思いながらジャケットを見ると、組んで捲れたズボンの裾と靴下の間から足が見えている。全ての面でセンスが良い訳でななさそうですね。