チェリー・リンって歌手は、この盤がNORMAから1996年に復刻発売されるまでは、日本で20人ほどの愛好家にしか知られていなかったのではないかな。
今、彼女の名前をグーグルで検索したのだが、日本サイト限定だと、一般ヴォーカル好きの方のサイトに名前が載っているだけのが2件。オークション・サイトで1件だけのヒットであった。限定無しで検索すれば沢山ヒットするが、やはりオークション系ばかりでしたね。中には同姓同名の歌手のサイトもありましたけどね。それと尋ね人。
兎に角、世の中で彼女のことを具体的に知っている人は皆無なのでは。そんな人の作品です。
ジャケは清楚な美人。歌声は色気を隠していながら、低音部でぐっと迫ってくる歌いかたに、僅かな色気を感じさせる。このチラッとが何とも言えぬ魅力となっている。
それとこの盤の構成なのですが、コンボをバックにチェリーさんが歌っているのが7曲、そしてコンボだけでの演奏が6曲というものです。何でもオリジナルでは交互に配置されているそうですが、このノーマからの復刻では、歌7曲の後にインスト6曲という配置です。全部歌えよと思いながらも流れてくるインスト物は、良い育ちをした白人ミュージシャンが小粋に演奏しております。
この盤は恐らく日本で1000枚はプレスされたのかな。この盤に触れられたことを嬉しく思いながらも、20人だけの密かな楽しみであった方が、この盤らしいのかなと、ふと思いまいした。