今回はCD収納ケースから12枚引っ張り出し適当に取上げているのだが、何故だかナット,パット,バドとアルファベット3文字の名前が3人続いた。そーすると更に続けたくなるもので、残っていた盤がリー・モーガンの1966年の作品となったわけです。
1963年に吹き込んだ「サイドワインダー」が大ヒットし、体調を理由にNYから遠ざかっていたモーガンが、再びNYに戻ってきました。
さてこの盤は二つのセッションが収められており、一方は12人編成の大掛かりな録音。この手の録音は金が掛かるため、滅多に行われるものではないが、そこはモーガンの人気ということか。もう一方はクインテットでの録音であり、一般のジャズ・ファンは製作者の意図とは逆に、コンボの方を好みますね。
僕が持っているCDには4曲追加されており、オリジナルではコンボで演奏されたタイトル曲の大編成テイクがプラスされております。
哀愁漂うタイトル曲は、ジョー・ヘン,モーガン,マッコイと極上のソロにより、感極まる内容に仕上がっています。かたやこの曲の大編成盤では、確かに素晴らしいアレンジが施されているが、感極まる内容が欠けておりますね。モーガンにはおいては、多少の力みが感じられます。
この時代は、これからの演奏スタイルを皆が模索していたのですが、ハード・バップ全盛期の流れを保っているモーガンの演奏には、我が道を行くという気構えがあります。