2003年9月12日掲載
Sonny Rollins       The Standard
RCA原盤                1964年6月録音

 このコーナーでロリンズを取上げるのは6枚目ですが、RCA時代の作品を取上げるのは初めてになります。彼にとって2度目の雲隠れである1959年から2年間の空白後にRCAと契約したロリンズは4年間に7枚の作品を残したのですが、これはその最後にあたるものです。語られることが少ないRCA時代ですが、この時期のロリンズの取り組みが、現在に至るまでの彼の活動に結びついていると言われているRCA時代であります。

20030912

 ホールとハンコックが参加している1曲を除けば、耳に残るのは豪放テナーだけ。しかし、その力強い音色とフレージングに酔いしれ、10曲が快感の中で過ぎ去って行く。

 この盤が語られることが少ない理由は、この「過ぎ去っていく」感覚であろう。それは中途半端にフェイド・アウトされた編集によるものだ。

 気軽にロリンズの音と旋律を楽しみのには、打って付けの1枚です。