旺角の店でこれを手にした時は、ECMのピアノ・トリオを買っとくか程度の軽い気持ちでした。どっかで聞いたことのある名前だなと思ったのですが、まぁ2003年発売の新譜だしいいかな程度の気分でした。
しかし部屋に戻ってみて気が付いた。今僕が夢中のセリア・ネルガードさんの今のところ最新盤に参加しているピアニストの作品でありピアノ・トリオではないの。
まぁ、これを買ったのも何かの巡り合わせですね。
人間は身贔屓するのは致し方ないこと。日ハム時代の片岡選手には魅力を感じなかったが、我チームに移った片岡選手には、ホームラン打者の風格だけは感じるのがこれだろう。
同様に大好きなセリアのバックを務めるピアノ・トリオで、しかも昨年ライブを観た僕に冷静な感想を求めるのは酷なこと。
全編ユッタリした曲で、全てマイナーに響いてるように感じるのが不思議。流石に60分全てこの感じだと、作品としては弱いものがあるな。やはりセリアのとこで演奏しているポップ色の強いものから、意識的に違う方向に持っていったのかな。トリオの息は合っているね。やはり日頃一緒に演奏していると、良いまとまりです。
生で観たドラムの方は、見た目ワイルドなんですが、繊細な演奏。この作品でも、ブラシがさり気なくそして心地良く響いております。
もっと全体の流れを考えて、そして肩の力を抜いてレコーディングに臨めば、さらに素敵な作品を作れるトリオですよ。2度演奏されている「graceful touch」での夢見心地にさせる演奏だけでも、聴く価値はある作品であり、全曲を作った Tord Gustavsen のセンスも良いよ。
何だか誉めているのかそーでないのか、ごっちゃの感想になってしまいましたね。