LPボックス・セットを開けたところ、バラ売りの二つ折りジャケットではなく、シングル(?)ジャケットであることが判明。それまで輸入代理店からの情報は無かったのです。
僕が渋谷ジャロさんにCD10枚を引き取りに行ったのは、入荷の翌日のこと。そこには自宅でシングル(?)ジャケットに悩んだ人が、二つ折りLPを買いに来ている光景がありました。当然10枚全て購入。
恐らく日本にはこのパウエル集を、3種類購入した方が数人は居ることでしょうね。
さて、第9集。1964年8月16日にNYに戻ったパウエルは、翌月には古巣バードランドに出演したのですが、そこでのモンク曲分に関しては第7集に収録されておりました。そちらは9月29日のライブだったのですが、この第9集にはその翌日の演奏が12曲収録されております。John Ore(b),J.C.Moses(d)とのトリオ演奏です。
聴き比べという意味で興味深かったのが「I want to be happy」です。「アメイジング・バド・パウエル2集」に収録されているのですが、超絶であった1951年までの録音ではなく、1953年のものでした。しかし、最速で飛ばしながらも余裕感を感じさせ、かつ鮮やかさが光っている演奏でした。この1964年の演奏は、往年の名車の如くスピードは期待できないが、備えている風格はより一層味わい深いものになっております。
こんな演奏にいきついたパウエルですが、何故かジャケットに写っている熱演風景に、苦悶を感じるのは僕だけでしょうか。