このパウエル集はCDとLPでの発売で、しかもLPはボックス・セットとバラ売りなのです。渋谷ジャロさんでは、CDは10枚まとめて、LPはボックス・セットで予約していた方ばかりだったのですが、バラ売りのLPも仕入れておりました。二つ折りジャケットでなかなか豪華なもので、この時ばかりは既にCD派になっていた僕も、LPにしておけばとの気持ちの揺らぎがありましたね。
さて、第8集。1964年8月に Edenville という場所で吹き込まれたものです。この Edenville という場所には知識がないのですが、インターネットで調べたところ、NY州とのこと。和名「エデン閃石」というのの産地だそうで、その筋に方には有名な場所だとか。
タイトルに「休暇」とあるので、NY州の片田舎なのでしょうかね。録音はフランシスとクレジットされていますので、二人で休暇に訪れたのでしょう。
それにしては不思議なのが、メンバー。Guy Hayat(b)とJacques Gervais(d)はいいのですが、10曲中2曲にJohnny Griffin(ts)が参加しております。パウエルとグリフィンの関係にも首を傾げるし、休暇なのにどうしてグリフィンがとの疑問有り。フランシスの解説を読めば判明するのでしょうが、疑問のままにしときましょう。
10人ほどの拍手が聴き取れるので、親しい人達を招いてのプライベート演奏なのであろう。リラックス感があるが、それは第4集のフランシスの自宅によるものとは、少し様相が違う。何かを決意したかのような深層心理があるかのような暗部を感じさせる演奏である。溌剌グリフィンとは、かみ合っていなかったね。自作曲が一つもないのは、何か意味があることなのだろうか。
海外で遠くを見つめるジャケでのパウエルの姿は、演奏内容とピッタリあうものだ。