トロンボーン奏者フラーは、この1957年は22歳。そしてこの年に、ブルー・ノート1500番台の5作に参加しているのだ。番号順に記せば、1956番のフラーのBN初リーダー作「ジ・オープンナー」、1571番のパウエルの「バド!」、1572番の2作目リーダー盤「ボーン&バリ」、1577番の「ブルー・トレーン」、そして1583番のこの作品だ。3作もリーダー作を残しているのも凄いが、パウエルとコルトレーンと共演しているのも凄い。
フラーの凄い年を締めくくった、ファーマー,ソニ・クラ,ジョージ・タッカー(b),ルイス・ヘイズ(d)と吹き込んだ作品です。
もう3年前になるのかな、ミラバッシのソロ作品中の「ジョニーが凱旋する時」が流れたとき、このメロディをアドリブ・フレーズに絶妙に混ぜた演奏があったんだと思いながらも、何の盤だか思い出せなかった。
今回13年振りにこの盤を聴いて、3年来のモヤモヤも解消。1曲目の「リトル・メッセンジャー」の中で、クラーク,ファーマーに続いて登場するフラーのアドリブに登場するんだ。
いいね、トロンボーンの軟らかい音の魅力を余すところ無く表している演奏だ。後年ジャズテットを組むファーマーとの息も合っているし、クラークも気合が入っているし、トロンボーンでのハード・バップ作品でも特筆出来る作品だね。