アダムスとの一連の大活躍を通じて、長いピューレンの演奏活動の中で最も油が乗っていたのは、この録音時期を含む10年間だったのでしょう。その中で吹き込まれたピアノ・ソロ作品、全5曲ピューレンのオリジナルです。
拳を鍵盤に叩き付け引っ掻き回すピューレンの奏法は、彼独自の表現方法であることを実感出来る1枚。目の前にゆったりとした景色が広がる曲の中でこの奏法を繰り出すことによって、景色の変化を表しております。
さてソロ作品となると、もう少しテーマを持たせた内容にすべきだったな。聴き手の感心を40分持続させるには、工夫が足りなかった。その意味ではこの翌年にモンク集を、ソロ・ピアノで吹き込んでおりますので、そちらの方が良いような気がしますが、残念ながら持っておりません。
しかしながらこの作品、絶頂期のピューレンの勢いを存分に楽しめる内容ですよ。