2003年3月16日掲載
Tony Bennett & K.D. Lang    a wonderful world
RPM原盤      2002年録音

 1998年にイギリスのウェンブリーで、ロックの歴史を振り返るという趣旨のフェスティバルが開かれました。ロッド,ボン・ジョヴィ,ロバート・パーマ等々の一流どころが出演し、ロックの流れの中で重要な曲をカバーする内容でした。

 プロデューサーの意向で、英語圏以外にロックを広げた歌手も出演させようということになり、白羽の矢が当たったのが、矢沢永吉、永ちゃんでした。永ちゃんはエルビスの「ドン・ビー・クルー」を一人で歌い、「ハート・ブレイク・ホテル」をロッドなどと歌い、最後には出演者全員参加で「ヘイ・ジュード」を歌ったのです。

 最初は永ちゃんに対して無視を決め込んでいたロッドも、欧州中から集まった観客を熱狂させた永ちゃんの「ドン・ビー・クルー」の後は、逆に永ちゃんに擦り寄って来たりしておりました。

 そんな中で、最初から永ちゃんに親しみを込めて接していたのが、K.D.Langさん。NHKのドキュメンタリーを見た僕は、何て良い人なのかと感心したものです。

 1993年度のグラミー賞最優秀女性ポップボーカル賞を「アンジャニュウ」で受賞している彼女なのですが、機会あれば1枚彼女の作品を買いたいと思いながらも数年が経過。彼女の名前を忘れかけていた時に、SJの広告でこの作品を知りました。

 いくら大物とはいえ、トニー・ベネットの作品は買わない僕ですが、K.D.Langとの共演ならばと、購入した次第です。サッチモに捧げた内容なのかな。

20030316

 古き良きアメリカン・ポップスの良質の部分を抽出した、ゴージャスな気分に浸れる作品。次は、K.D.Langのテナー・クァルテットをバックにしたスタンダード集をと、「that lucky old sun」を聴きながら強く思いました。