冷房が全開だった渋谷ジャロさんの中古コーナーに、新譜売れ残りとして置かれていた作品。新譜コーナーにあった時よりも8百円ほど安くなっており、それでなければマルグリュー・ミラーの作品は買わないな。
新伝承派などという表現が使われていた時代、確か1980年代前半に初リーダー作を発表したピアニスト・ミラーさんですが、その後に出たリーダー作を3枚ほど買って、お付き合いを止めた方です。サイドでは良いが、1枚を主役として聴かせる個性は初リーダー作で使い果たしたかなという考えだったのですが、久しぶりに買ったこの作品で僕を後悔させて欲しいですね。
シックステットを基本とした編成です。
Steve Nelson(vib),Steve wilson(sax),Duane Eubanks(tp),Richie Goods(b),Karriem Riggins(d)とのシックステットを基本に、曲によっては編成を少なくしている。
マイルスの名演で有名なバラッド「it never entered my mind」を、ベース,ドラムのトリオで演奏しているが、息がばっちり決まっている。この曲の好演集に入れても良い内容である。
他の曲はミラーのオリジナルを中心に用意されているが、曲の良さとメンバーの息がぴったり。勢いのある「go east young man」とマイナー・サンバの「samba d'blue」が、お勧め曲でありお勧め演奏。
ミラーには、曲を提供した上でコンボを引っ張っていく力を感じ、今後もこの路線を期待したい。