2002年9月29日掲載
Dodo Marmarosa     Dodo's Back!
Argo原盤               1961年5月録音

 ジャズ・ファンならドド・マーマローサという名前は知っているが、積極的なファンは少ないであろう。というか、その活動歴を知っている人は、少ないであろう。

 僕もその一人なのですが、今回この作品を買って、解説を読んで、その辺りの理由が分かりました。

 超絶テクニックなピアニストである彼は、1940年代後半にその名を馳せました。ジャズ・ファンが彼の名前を知っているのは、この時期の活動によるものでしょう。続く1950年代、多くのジャズ・マンが陥った麻薬禍にマーマローサはどっぷりと嵌ってしまい、10年間を棒に振ってしまったのです。

 そして復活作品が、これになるのです。リチャード・エヴァンス(b),マーシャル・トンプソン(d)とのトリオ作品、スタンダードを中心にオリジナルも2曲披露しております。

20020929

 硬い音で切れ込みの鋭いフレージング。しかし優しさを感じさせるピアノです。オリジナルの「mellow mood」に、彼の魅力が溢れていますね。肩肘張らない気軽な1枚として、僕にとっての愛聴盤になっていくと思う作品です。 さて10年ぶりにこの作品を吹き込んだマーマローサ、この後また消息不明になってしまいます。