2002年3月16日掲載
Mari Henmi      Love Letters
BMG原盤         2001年6月録音

 子供の頃、コタツを囲んで家族団欒でTVドラマを見ているときに、キス・シーンましてやベッド・シーンなどの場面になると、家族が急にぎこちなくなった記憶があります。その雰囲気は歌番組でも稀にあって、夏木マリの絹の靴下などが、その例かな。

 今日取上げる辺見マリの経験が流行った頃は、僕はそんな家族の雰囲気を感じ取れる年齢になかったようで、歌は記憶にありますがその雰囲気は記憶に無し。

 辺見えみりのお母さんとしての方が有名なこの時期に彼女が吹き込んだのは、ジャズ作品。名前はよく聞く岸ミツアキなどが参加しているので、バックは問題無しでしょう。歌に関しては、どういう色気があるかだけが、興味ポイント。

 まさか、他のジャズ・ヴォーカリストを引き合いに出して、この作品を論じる人はいないでしょう。

20020316

 ♪ベイビー・ストップ じゃないだろう、「経験」は。♪やめてぇー だよね。

 特にストップに関しては、色気を入れなければいけない、pの発音が気になる、とご苦労された状況が目に浮かびました。

 全体を通すと、例えばheartのtの部分の発音のように、英語に必死苦労された姿が浮かび余裕感がないですね。日本市場向けしか考えられない作品なのだから、もっとリラックスして歌えば、あっさりした色気の歌声が引き立ったと思います。

 録音の良さ、とくにブラシの録音が秀逸だけに、それなりに楽しめて最後まで聴けましたけどね。