2001年9月30日掲載
Janet Seidel                The Art Of Lounge
La Brava Music原盤   1997年8月録音

 取り上げる順序が逆になりましたが、先に取り上げた盤と同様のコンセプトで製作された作品です。バックはサックス入りのクァルテットに、これまた興味をそそられる曲がズラリ14曲並んでいます。第2集と同様に、僕の頭の中にある各曲の代表的な歌手に、サイデルさんが加わることが出来るかが、評価の分かれ目になるのでしょうかね。

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 第2集がサイデル初体験だったので、この作品はその意味ではインパクトが少なかったですね。また曲調も似たパターンが続いており、第2集のスタンダードの合間にラテンというような変化が欲しかったです。

 でも考えてみれば贅沢な欲望でして、リー・ワイリーを思い出す「I've got a crush on you」、バーバラ・リーの歌が素敵だった「gee baby」、昨年の愛聴版だったアゲンタ・バウマンの「comes love」と僕の記憶にある曲が、この作品で光っています。ジョー・スタッフォードでお馴染みの「fools rush in」を、サイデルさんはピアノとのデュオで香豊かなバラッドを聴かせてくれます。

 白眉は「the very thought」かな。リタ・ライス,バーバラ・リー,ビリー・ホリデイ,サラ・ボーンとこの曲の名唱が思い出しますが、やはりドリス・デイのそれが最も印象深いですね。サイデルさんはやはりドリス・デイと結びついているのかなと思いながら、テナーと気分を和らげてくれるヴォーカルが絶妙にマッチした様子に酔いしれた1枚です。