以前取り上げた「howard mcghee & milt jackson」は、1948年に録音されたハワード・マギー(tp)にとっては全盛時代の作品。ガレスピーに続く、ビ・バップの重要トランペッターと言われていたそうだ。
1950年代に入ると麻薬でしばらく一線から姿を消していたが、1955年に吹き込んだ、その名も「ザ・リターン・オブ・マギー」は、今でもマギーの代表作と言われている素晴らしい作品。
その後またドラッグのため姿をくらましていたマギーは、1960年に入って積極的な活動を始めたのですが、今日取り上げるこの作品は、そんな第2の復活劇と言えるもので、メンバーは当時バリバリのトミ・フラ(p),カーター(b),ウォルター・ボールデン(d)となっております。9曲中5曲がこのクァルテットによるもので、残りの4曲には、グリーン(tb),アダムス(bs),ローランド・アレキサンダー(ts,fl)が参加しております。
愉しげなメロディの「sound of music」で枯れた味、言い換えれば円熟味を感じさせると思ったが、聴き進むにつれて単に冴えない演奏に変っていくな。それは、続く「I concentrate on you」でも同じ。やはりブランクは、そうは簡単に埋められないのかな。ガレスピー作の「グルーヴィン・ハイ」でのビ・バップ演奏で活き活きしているマギーを聴いていると、やはりこの時代はきつかったのかな。