ジャズ・ファンで男性ヴォーカリスト好みなんて人は少ないですね。僕もそんな一人ですが、ボビー・トゥループという有名な名前から、たまにはいいかとの思いで購入した次第です。
１９１８年生まれのトゥループはペンシルヴァニア大学在中に「ダディ」を書き、１９４１年に吹き込んで大ヒットを飛ばしたそうです。その後様々活動を通して人気者になっていったそうです。１９５４年にはジュリー・ロンドンと知合い、彼女の先生となったそうです。１９５９年暮れには二人で結婚したのです。好きな歌手の旦那ということで、トゥループという名前が僕の記憶に残ったのでしょうね。トゥループのピアノ弾き語りを、ハワード・ロバーツ(g)，ボブ・エネヴォルゼン(b)，ドン・ヒース(d)が支えている作品です。
少し鼻にかかる声で、優しく歌うトゥループ。健康的な好人物という印象を受ける感じなのですが、ＴＶでも活躍していたそうですから、アメリカで一般受けするエンターテナーだったのでしょうね。しかし、ジャズ・ファンが求めるのは不健康さ、あるいは不良性、あるいは怪しさだったりするので、トゥループの人気はポピュラー歌手としての部分だったのでしょう。