1952年から2年間、モンクはプレスティッジに4回のセッションを行ない、数多くの作品としてそれらが発売されました。マイルスとの喧嘩セッションが、最も有名ですかね。ロリンズとも共演しており、以前ここで1枚取り上げました。その作品は3つのセッションから構成されていたのですが、今日取り上げる作品はその内の最初のセッションから2曲収録したものです。
他のメンバーは、Julius Watkins(fh), Percy Heath(b), Willie Jones(d)という顔ぶれです。しかし他の4曲は、Frank Foster(ts), Ray Copeland(tp), Curly Russell(b), Art Blakey(d)というメンバーとのセッションです。
役者で言えば健さんかな、居るだけで存在感で圧倒される人。野球で言えば、江夏だな。新人バッターなんて、マウンドの江夏を見ただけでビビッていたよな。
さて、この作品。モンク,ロリンズ,ブレーキーと、存在感の塊の方々が存分に実力を発揮しています。ロリンズに精彩が無かったのが残念ですが、一音で誰の演奏か分かる内容です。他の方々もそれなりの実力の持ち主なんですが、「存在感」という意味では、かなわないよね。
その中で光ったのは、カーリー・ラッセルのベース。この時期はパウエルやシルバーに重宝されて起用されていた人ですが、ソロ・スペースは与えられなかったとか。しかし、バッキングで響くどっしり構えたベース・ラインは、なかなかのものですよ。