2001年7月29日掲載
Hank Mobley        Mobleys Message
Prestige原盤     1956年7月録音

 ブルー・ノートの印象が強いモブレーですが、この年の7月と8月に3枚の作品をプレスティッジに残しております。この作品はその最初のもので、Donald Byrd(tp), Jackie McLean(as), Barry Harris(p), Doug Watkins(b), Art Taylor(d)という、1950年代のハード・バップを代表する凄いメンツでの録音です。

 さて、ジャケットを見ると、一つ大きな疑問。マクリーンは、ゲスト参加だと記されております。この時期JMに入っていたモブレーが、自身のグループを結成していたこともなし。マクリーンにしても、この時期はプレスティッジに数多くの作品を残しているので、他レーベル所属だということでもない。

 因みに調べてみたら、この月に名盤「4,5&6」を吹き込んでおりますしね。更にこの「4,5&6」を調べたら、その内の3曲が今日取り上げている作品と同じ日の録音ではありませんか。まぁ、この手のセッションは誰がリーダーということはないのですがね。しかしこれが分かったら更に、マクリーンがゲストというのが不思議になりましたね。因みにピアノは、「4,5&6」ではマルになっております。

20010729

 ジャケは発電所にあるような頑強な送電線。当然内容も一つ間違えれば火花飛び散るようなセッションを期待したのだが、イマイチ燃え上がっていませんね。やはり、残り物を集めた作品なのかな。モブレー1管でのバラッド「リトル・ガール・ブルー」、ここでの美しさが目立つ1枚です。

 これだけのメンツなので、もっと凄い内容を誰でも期待するでしょうし、この結果にガックリくるでしょう。