Omer Avital(b), Aaron Goldberg(p), Marc Miralta(d)の頭文字を集めてトリオ名にした、ピアノ・トリオです。購入の動機は、ピアノのゴールドバーグ。1998年の吹込み作品「Turning Point」を1999年6月8日に取り上げた際に「あと2~3作、ゴールドバーグの作品に付き合ってみます」と書いたのですが、その後彼の新譜を目にすることが出来なかったのですが、昨年暮れに新宿ユニオンさんでこれを見つけ購入した次第です。クァルテットだった「Turning Point」に対して、こちらはピアノ・トリオ。掴みきれなかった彼の個性が、この作品では認識出来るのではと、期待しています。
強烈なベースが印象的であるが、全体的に散漫な内容。1曲目でモンク風のピアノが聴けるが、他の曲では違うタッチに。
驚きはコルトレーン作の「26-2」を取り上げていること。コルトレーン自身のこの曲の吹き込みは、1960年10月26日に行なったセッションだけ。このセッションでの録音は「コルトレーンズ・サウンド」に収録されているのだが、この「26-2」は難解なテーマにより消化不良の演奏のため、死後発売された寄せ集め盤「コルトレーン・レガシー」によって世に出たのである。
このOAMが取り上げようとした意気込みには感心するが、まだまだ早かったという感は歪めない。「ウッディン・ユー」での解釈にこのトリオの可能性を垣間見れるが、数段の進歩がなければ注目を浴びる存在にはならないであろう。
またしても、ゴールドバーグの個性を認識出来ないまま、聴き終えた作品です。