2001年6月26日掲載
Guido Manusardi      Jazz Trios
Olympia原盤            1967年2月録音

 グイード・マヌサルディというイタリア出身のピアニストは欧州ジャズ、特にピアノ好きな方々には有名な存在らしい。僕は今回初めて知ったし、当然ここにも初登場なので、簡単にその経歴を紹介します。

 1935年にイタリアに生まれ、1962年から5年間スウェーデンに渡り、デクスター・ゴードンなどアメリカから来たミュージュシャン達と、共演を重ねていました。1967年にはルーマニアに渡り長らくそこを拠点にして活動をした後、1970年代末にイタリアに戻りコンスタントに作品を発表しています。

 今回取り上げるのは、スウェーデン時代に吹き込んだ「Blue Train」と、ルーマニア時代の1973年に吹き込んだ「Holiday Impressions」が1枚のCDにカップリングされて発売されたものです。この「Blue Train」という作品は有名らしですね。

 4月にジャロの店主から、強い推薦があって購入したものです。ジャケがオリジナルではないのが残念ですが、その筋の方々に有名なピアニストのトリオ作品を、今夜は楽しみたいです。

20010626

 「テクニックのある知的表現のピアニスト」という紹介文がジャズ批評にあるが、スウェーデン時代の「Blue Train」はそれにダイナミックさを加えた演奏。しかしながら、この再発盤は高音レベルが強調されていて多少聴き難いため、そのダイナミックさが嫌な刺激に響く場面が多く非常に残念。その状況でも「autumn leaves」での演奏は、マヌサルディを得難いピアニストとして印象深いものにするだけの、他では余り聴けない素晴らしいものとして響いてきました。ルーマニア時代のは、エレピとシンセを多用しており、つまらない。彼の美的感覚冴え渡るメロディの自作曲も、これでは台無しですよ。ともあれマヌサルディを聴いたことがなく、ピアノ・トリオ或いは欧州ジャズに興味ある方には、お薦めの1枚です。