2001年6月22日掲載
Deanna Kirk       Live at Deanna’s
Atlantic原盤    1993年7月録音

 ハッキリしないジャケ写なんですが、ディアナさんは30歳位に見えますね。でもこのライブ盤はタイトルについている通り、彼女の名前を冠したジャズ・クラブで収録されたものです。ディアナさん所有のジャズ・クラブだとしたら、もっとベテランなのでしょうか。

 まぁ、その辺りの推測はどうでもいいとして、もう一つ気になるのは、一晩での録音とクレジットされていますが、二つのバンドをバックにしていること。通常では、考えられないですよね。そのバンドとは、当時73歳のレナード・ガスキン(b)率いるクァルテット、そして当時68歳のアニー・ロウレンス(ss,as)率いるシクステット。この年寄リーダーのバンドを従えて、雨の日に行なわれたライブです。

20010622

 妖艶で乾いている声で、語りかけるような歌い方は、まさに好み。11曲中6曲はガスキン・バンドがバックで、時にしっとりと、時に陽気に歌っております。これで十分良いのですが、ロウレンス・バンドでの3曲が圧巻。特に、僕はプレスリーが歌で印象深い「fever」が、最高の出来。妖しさ満点のディアナさんの歌いっぷりと共に、バックの演奏がこれを盛り上げております。また、「c.c.rider」では、バックのピアノとギターがアヴァンギャルドな演奏を行なっているが、ディアナさんを邪魔するどころか、その魅力を一層輝かしています。そのピアノは、ハーマン・フォスター。この人は確か、BNでのドナルドソンの作品に参加してた人ですよね。そしてギターは、井上智。「as young as you」では、80%ディアナと井上のデュオですが、息がピッタリあっており、息を呑む緊張感です。好みの女性ヴォーカリストがまた一人増えました。