この作品は、1956年2月18日にロンドンにあるロイヤル・フェスティバル・ホールで行なわれた、コンサートの模様を収めたものです。恐らくテンポ・レーベルが主催したのでしょう。
ここには3つのバンドの演奏が入ってまして、1つ目がタビー・ヘイズのオーケストラ。もう一つがディジー・リースのクァルテット。そして3つ目が、イギリスのモダン・クラリネットの草分け的存在のヴィック・アッシュのクァルテットでのものです。知った風に書いていますが、草分け的存在のお方を今回初めて知ったのですがね。
バス・クラリネットなら、ドルフィーの名演を数々聴いてきたし、マレイ特集でここで何度も取り上げた。しかし、クラリネットという楽器には、さほど縁が無かったね。BGしか、思い浮かばないな。
さて草分け的存在のアッシュさん、暖味の音で飄々としていて、たまに聴くなら楽しめるね。やはり明るい乗りの演奏でなければ合わない楽器と痛感しました。アッシュさんの「ドキシー」の演奏なんて、楽しさそのものです。
乗り乗りエリントンのヘイズも良かったのですが、リースだけはこのコンサートに合っていなかったようです。演奏の良し悪しではなく、コンサートの流れに合っていないようですね。
草分けアッシュの存在を知ることが出来た、貴重な1枚です。