ドン・チェリーって言えば、1950年代後半のオーネット・コールマンとの活動、1963年からのニューヨーク・コンテンポラリー5、1960年代後半からの欧州での活動がすぐ頭に浮かびますが、1980年代以降となると記憶に残るものは少ないですね。
11年前に吹き込まれて本作品は、ソロや、数本の管が入った演奏など様々な形態で12曲吹き込まれていますが、これが記憶に残っている人は少ないハズ。確か国内発売も無かったし、中古でもあまり見かけないので、売れなかったのかな。ジャケの通り、お得意のポケット・トランペットを吹いていますよ。
澄んだチェリーのペットの音は魅力的だが、アフリカの音楽を題材にした演奏は、退屈といのが本音。その中で光っているのが、「birdboy」のラテンっぽい演奏。やはり、ドラムとベース入りでリズムがしっかりしているのが、純粋にチェリーのペットを楽しめる要因になっているのかな。もう一つ光ったのが、チェリー1人でマルチ録音した「piano/trumpet」。曲名通りピアノとペットの演奏だが、低音を強調したピアノがペットに合っている、ブルース・ナンバーです。強いて言えばこの2曲が良いですが、再びCDプレーヤーにこの盤が入ることがあるのだろうかと、ふと思いました。