2001年4月10日掲載
Chico Hamilton          in Hi Fi
Pacific Jazz原盤     1955年11月録音

 この作品を録音した当時のチコ・ハミルトン(d)は、リナ・ホーンの歌伴が主な活動だったようですね。もっとも解説によれば、当時の西海岸のミュージュシャンは、映画やテレビでのジャズ以外の演奏が、重要な稼ぎだったようですけどね。

 さて自身のバンドでの活動を模索していたハミルトンは、まだ新人だったフレッド・カッツ(cello)とジム・ホール(g)をバンドに迎え入れました。友人であったバディ・コレット(redds)とカーソン・スミス(b)を加えての、変則クィンテットでの録音です。

20010410

 かなりの部分が譜面に基づいた演奏だそうで、映画音楽のような綺麗さ漂っており、楽器編成からも室内音楽と言えるものであろう。が、ジャズならではのスリリングさを、潜ませておるね、この作品は。コレット作の「sleepy slept here」での、ソロを取るカッツ・ホール・コレットの演奏もスリリングなのですが、バックでのハミルトンとスミスのベースとドラムが、緊張感のカタマリ。

 さすが、この時代の西海岸を代表する名盤だけのことはありますな。