2001年4月5日掲載
Dizzy Gillespie           The Champ
Dee Gee(Savoy)原盤  1951年3月録音

 何故この作品を買ったかと言えば、コルトレーン。1955年10月にマイルス・クィンテットでコロンビアに吹き込んだ演奏以降のコルトレーの演奏から大方のコルトレーン・ファンは聴いているでしょうし、僕も同じ。それ以前には、ジョニー・ホッジス楽団、さらにその前にはアール・ボックス楽団、そしてその前がこのガレスピーの元で演奏しており、正規盤・海賊盤合わせていくつものレコードが出ております。しかし、音悪のコルトレーンのソロがほんの少しですので、話題になることは少ないですね。

 さて話を主役のガレスピーに向けると、彼のはこの頃はビッグ・バンドでの活動は資金面で難しくなってきていました。自分で自由に録音ってことでディー・ジーという自身のレーベルを興し、1951年3月から翌年7月まで計5回のセッションを行ない、SPで発売していました。それらはLP時代になると、サヴォイから「ザ・チャンプ」、リージェントから「スクール・デイズ」という2枚の作品で再び世に出た分けです。

 私が持っているCDは「ザ・コンプリート・チャンプ」という名で、ディー・ジー時代の全ての曲を収録という謳い文句で、発売されたものです。で、コルトレーンが参加した分では3曲入ってます。全24曲収録されているCDですが、当然コルトレーン中心で聴きますよ。

20010405

 「tin tin deo」,「birks works」では、大スターであるガレスピー様の後ろで、小僧コルトレーンが遠慮しながら一生懸命合わせて演奏しているだけ。有名女優のカケダシ時代のビデオを見て、ウェイトレス役で水を運んで来るだけの後姿をやっと確認出きるのと、同じ気分。しかし、初セリフとなれば、話は別。「we love to boogie」でコルトレーンの初ソロが聴けまっせ。この短いソロ、音質はコルトレーン。これだけで、貴重モンです。有り難く拝聴いたしました。

 で他のセッション、ミルト・ジャクソンがオルガンも弾くのかと驚きながら、楽しく聴き終えた1枚です。