富樫雅彦、14歳にしてチャーリー石黒と東京パンチョスに加入した天才ドラマーです。僕が象印提供で玉置司会の物真似番組を見ていた時期には、脱退していましたけどね。確かこの番組でバック演奏していたのが、チャーリー石黒だったとの記憶があります。
さて富樫、1970年頃に不幸な事故で車椅子生活に。この不幸な事故って言うのは、リー・モーガンのと同じようなヤツでしたっけね。その後富樫は不屈の精神で独自のドラム・セットを開発し、一線の戻ってきたのです。
で、何故僕がこの作品を買ったかというと、共演者。レイシー(sax),チェリー(p-tp,p,vo),ホランド(b)という当時の僕が、好きで聴いていた方々なのです。郵便貯金会館でのライブ録音のこの作品、聴くのは久しぶりになります。
先ずは訂正。富樫はチャーリー石黒のとこにバンド・ボーイとして入っていたそうです。演奏はしていなかったようですね。
その後、15歳でプロ入りした富樫の音楽生活30周年コンサートが、この作品に収録されています。キャパが1800人ほどのとこですから、ジャズのコンサートとしてはかなりの大きさ。理解し合ったメンバーで、かつ集客能力のある奏者で人選した結果が、ベースにチャーリー・ヘイデン。しかし、どーしても無理ってことで、ホランドになったようなのですが、このベースとドラムの組合せは大成功でしたね。お互いの動きを察知しながら、応酬しあう二人の演奏は、僕が買った目的であるレイシーとチェリーを完全に上回っています。富樫,チェリー,レイシーがそれぞれ素敵な曲を提供してのこのライブ盤、牧歌的な伸びやかな中に刺激を包み込んでいる作品です。