2001年3月20日掲載
Ornette Coleman         Something Else!!!! Contemporary原盤       1958年2月録音

 フリー・ジャズを毛嫌いしているジャズ・ファンは、多いですよね。僕も、リズムが存在していない1970年代欧州のフリー・ジャズは、全く受け付けません。しかしジャズ・ファンの中には、そのイメージをオーネット・コールマンなどの1950年代後半から画期的な演奏を行なってきたミュージュシャンに当てはめ、聴かず嫌いの人が多いんだよね。

 この作品は、当時西海岸に活動の場を求めていたコールマンのデビュー作でして、発売当時は全く話題にならなかったもの。ドン・チェリー(tp),ウォルター・ノリス(p),ドン・ペイン(b),ビリー・ヒギンズ(d)という、当時共に活動していたメンバーで吹き込んだものです。

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 4年前の9月だと記憶していますが、オーネットが渋谷のオーチャード・ホールで、オーケストラをバックにしたコンサートを行ないました。その規模の大きさから15年程の間に10回ほどしか行なわれてきていないそうなんですが、1時間半ほどの演奏時間の熱演でしたね。切れ目無しに演奏されたのですが、ここぞという場面で出てくるオーネットのソロは、いかに彼がメロディを大切にしているかが分かるものでした。

 その40年近く前に吹き込まれて本作品にも、同様のことが言えます。ハーモロディックなどという音楽理論は分かりませんが、独自のスタイルでそのメロディを追求していく彼のスタート時点の演奏が楽しめる1枚です。本当に、楽しめるんですよ。