2001年2月3日掲載
Elsie Bianchi      The Sweetest Sound
SABA原盤       1965年11月録音

 昨年末の渋谷ジャロでの、壁に展示してあるSABA/MPS紙ジャケ再発盤を眺めながらの、僕と店主の会話。

店主「そのエルジー・ビアンキは買わないの?良いよ」 

僕「甘いだけのピアノでしょう。帯にラウンジ系って書いてあるし」 

店主「騙されたと思って買ってごらん。本当に良いのだから」 ってなことで、買った盤です。スイス人の彼女が、ベースとドラムを従えて弾き語りで臨んだ作品です。ジャロの店主は、この20年近く僕にいろんな事を教えてくれたお方。薦める作品の7割は当たり。残り3割だっていいじゃないのと思っていますけどね。

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 彼女は伸び伸びさせたら、ダメだ。マイナー調であったり、抑えたバラッドで、その唄とピアノが真価を発揮する。何てことはないマイナー調の「little bird」を何て事のないピアノで弾いているのだが、何故か耳に残るんだな。唄でもマイナーっていうかシャンソンっぽい「the shadows of paris」が、本当に微かな色気が出ている。同じ事は、バラッドの「guess who I saw today」にも言えている。他が健康的で何も心に残らない出来だから余計目立ったのでしょうけどね。当たりとは言えないが、買って損は無かった作品です。