これはゲッツとシムズの、10吋で発売された二つのセッションを12吋にまとめたものです。
1つめがですな、Stan Getz and his Four Brothers と名付けられたセッションです。ゲッツ以外にテナーが4本、シムズ,アル・コーン,アレン・イーガー,ブリュー・ムーアが、四人兄弟のメンツです。これにピアノのウォルター・ビショップとベースとドラムという編成です。
もう一つのセッションが、シムズとアル・コーンのセッション。こちらは1952年の録音でして、カイ・ウィディング(tb)とジョージ・ウォーリントン(p)、パーシー・ヒース(b)とブレーキー(d)という豪華セッションです。
この二つのセッション、分けて聴く必要がありますね。
3分ほどの曲で5人がソロをとる「Stan Getz and his Four Brothers セッション」は録音の悪さも手伝って、顔見せ興行の域を脱していなかったですね。
それに比べて1952年のセッションは、流暢な語り口のシムズと、べらんめぇー口調のアル・コーンが勢いのいい演奏を繰り広げています。ボントロを間に挟んで聴ける二人のテナーには、惚れ惚れ。全4曲とも素敵な出来。この5年後にアル&ズートを結成して大人気を博していく二人ですが、このセッションがその下地であることは一聴して明らかですね。