前回に取り上げました盤の第2集です。ビ・バップ期のメロディアウスなテナー奏者として真っ先に名前が出てくるワーデル・グレイの、二つのセッションが収録されている作品です。
一つは、ゴードン(ts),クラーク・テリー(tp),ソニー・クリス(as)達とLAのクラブで行なったジャム・セッション。
二つ目は、アート・ファーマー(tp),ハンプトン・ホーズ(p)達とスタジオで吹き込んだものです。
この時代を強く感じさせる有名曲としては、前者にゴードン抜きで演奏していますが「スクラップル・フロム・ジ・アップル」、後者には「ラヴァー・マン」が収録されています。
長尺の前者は、クラブでの演奏ということも重なって、熱気溢れる演奏。どれも3分弱の後者は、落ち着きながらグレイの歌心を満喫できる内容です。特に「ジャッキー」と「ラヴァー・マン」が最高。これは、テナー・サックスの名演集などという物が存在すれば、確実に入りますね。ファーマーとホーズの好演も加わって充実した出来です。熱気と歌心、一粒で二度美味しい名盤です。