1999年9月3日掲載
Wardell Gray       Memorial Vol.1
Prestige原盤      1949年録音

 1940年代に絶頂期を迎えていたテナー奏者のワーデル・グレイの代表作ですが、この時代のサックス奏者としてパーカーやレスター、ゴードンなどと比べ、彼は日本では人気が低いですね。ある程度ジャズを聴いてきた人には、彼の名前が頭に入っているのでしょうけど、語られることが少ないのです。残されている作品の少なさがその一 因でしょう。よく唄うと言われる彼のテナーを存分に味わいたいですね。ちなみに本作品は、1949年、1950年、1953年の3つのセッションからこのアルバムは構成されています。

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 心地よい気分に浸れますよ、この人のサックスは。メロディの持っている味を存分に楽しませてくれ、部屋の中が和む感じがしますね。半分ほどが彼のオリジナルなのですが、どれもミディアム・テンポ の曲で、演奏の心地よさとあいまって、口ずさみたくなるものです。演奏のほとんどが彼のテナーの響きなのでメンバーについては触れませんが、3つのセッションの1つがテディ・チャールズが監修しているものです。このセッションだけチャールズの色が全体に出ています。グレイは1955年に34歳の若さでこの世を去るのですが、もっと長く演奏活動を続けられたなら、もっと多くの作品をこの世に残し彼の名前も頻度高く語られていたでしょうね。