2001年2月12日掲載
Marion Brown      Offering
Venus原盤        1992年10月録音

 アルト奏者のマリオ・ブラウンの名前を聞いて思い浮かべる活動歴は、何であろう。1960年代半ばにESPに素晴らしい作品を発表し続けた頃。AACMのメンバーとして、革新的な活動を行っていた時。また、1970年代後半のロフト・ムーブメントに、一回り年下の若手達と刺激的な演奏をしていた時期。しかし圧倒的に強力な印象としてあるのは、コルトレーンの「アセッション」に参加したことですね。

 この作品はコルトレーンの没後25周年の年に吹き込まれたもので、タイトルもコルトレーンに因んだ名前です。トム・マクラング(p),ジェイ・メッサー(g),マイク・マーカス(b),クリス・デイリー(d)とのクァルテットでの演奏です。

20010212

 コルトレーンから引き継いだスピリチュアルな面が伺える1枚だが、体裁だけ。気が入っていない。かつてのマリオンはこんなもんじゃなかったのに。インプレッションに収録されている「アフター・ザ・レイン」がこの作品に収録されているが、没後25周年にこんな演奏をされたんじゃコルトレーンも、タマランな。