ドラムのスタン・リービーについては、今日取り上げる作品の1年後に同じベツレヘムに吹き込んだ盤を、以前取り上げました。その時書いた彼の経歴で抜けていた重要な点は、1945年にガレスピーとパーカーの双頭バンドに加入し、売れっ子になったことがあげられます。
好バッキングが光ったリービーの1956年の作品と同様にこの盤では、カンドリ(tp),ロソリーノ(tb),ヴィネガー(b)が参加しております。更に注目すべきことに、麻薬禍の中からこの年2枚の作品を吹き込んだゴードン(ts),個性光るルー・レヴィー(p)が参加しております。
リービーにとって初の12吋リーダー作であるこの盤、参加メンバーの好演奏が当然楽しめるものと思いますが、リービーの冴えたドラムも聴きたいですな。
トランペットとピアノの落ち着いた演奏を楽しめる「ruby my dear」も良いし、ゴードン作のブルース「stanley the steamer」での彼のサックスも素敵だが、ドラムとトロンボーンの熱き演奏を楽しめるタイトル曲が1番の出来かな。ビ・バップの波を全身で浴びていた方々の熱演が、存分に楽しめる1枚です。