白人版マックス・ローチと言われるスタン・リービーは、1940年代初頭にオスカー・ペティフォードのグループに加入し、注目を浴びました。1954年にはハワード・ラムゼイのライトハウス・オールスターズに加入し、数多くの名演を残しています。この作品はそのライトハウス・オールスターズで一緒のメンバーと吹き込んでいます。コンテ・カンドリ(tp)、リッチー・カミューカ(ts)、フランク・ロソリーノ(tb)という西海岸を代表するホーン奏者と共に、まだNY進出前のソニー・クラーク(p)の参加も興味深いですね。そしてベースは、ミスター・ウォーキング・ベースのリロイ・ヴィネガーです。悪いわけありませんよね。
東海岸のコッテリに対しての西海岸のアッサリ味 が、存分に楽しめますね。ホーン3人は息の合ったアンサンブルと、センスの良いソロを随所に展開しています。曲としてはソニ・クラが提供している2曲に、注目してしまいますね。“angel cake”はアップ・テンポの陽気な曲で、カミューカのテナーがそのメロディに乗って、軽快な演奏を聴かせています。しかしソニ・クラのピアノを存分に味わいたいなら、スタンダードの “why do I love you”が用意されていますよ。美しくスィングした早弾きピアノが、華麗ですね。 “hit that thing”でスタン・リービーのドラムが堪能出来ますが、他の曲ではあくまでバッキングに徹しています。西海岸におけるモダン・ジャズ黄金時代の隠れた好セッションと思っていましたが、国内発売されるようですね。