この作品はキャノンボール・アダレイが初めて自己のグループを率いて録音した作品です。弟のナッ ト・アダレイ(tp)、ジュニア・マンス(p)、ジミー・コブ(ds)、サム・ジョーンズ(b)というのが、 メンバーの顔ぶれです。いわゆるパーカー派と呼ばれたデビュー期と、“イン・サンフランシスコ” “マーシー・マーシー”というファンキー・ゴキゲン・ジャズの名作を吹込んだ時期との中間に吹き込まれたこの作品は、どっち系統なのでしょうか。内容については明日記しますが、この作品の魅力 の一つはジャケ写でしょうね。ピッチリした青パンツ姿の女性と、赤いベンツのお尻が並んでいる 写真は、僕はセンスが良いと思うのですけどね。ジャズらしくないと、批判する向きもあるようです ね。
やはり“イン・サンフランシスコ” の興奮を期待してはいけませんね。パーカー派のアダレイが、新しい自分のスタイルを築こうと、自分のグループで模索している姿が聴けます。アダレイ兄弟とマンスの熱いセッションは残念ながら聴く事は出来ず、ジャケだけが記憶に残る作品になっています。