2001年10月8日掲載
Georges Arvanitas     Quartet
Carrere原盤          1987年3月録音

 このレーベルに1986年と1988年に素晴らしいピアノ・トリオ作品を残したアルヴァニタスですが、間の1987年に吹き込んだのはサックス入りのクァルテット作品です。Jacky Samson(b),Charles Saudrais(d)に加えて、M.Goldbergが参加しております。収録曲を眺めてみると、ミンガスの2曲が気になりますね。

20011008

 まだこのコーナーで取り上げていないが、1973年の「live again」でアルヴァニタスはエレピを弾いていました。それはもう、面白くも何ともない内容でしたね。

 それ以降も弾いていたのでしょうか、この作品でも半分ほどでエレピを弾いています。何か節操の無い演奏なんだよね。サックスがやたら力んでいるが、個性が全く感じられない演奏で、その意味ではエレピとピッタリだなと思って思わず笑ってしまいました。

 でも良い面もある。ジミー・ロウルズが1970年代に発表した素敵なバラッド「the peacocks」を、趣味良く演奏していますな。またミンガスの「フォーバス知事の寓話」を、政治的な意味が込まれていることを一切意識させずに、この曲の思い白いメロディを楽しげに演奏しています。

 レコードでは2枚組みであったこの作品は、カットされていなければ全14曲。その最後にまたしてもミンガスの「good bye pork pie hat」を取り上げています。レスター・ヤングの死の報に接して作られた悲しいメロディで幕を閉じておりさすがの選曲。

 アルヴァニタスのCarrere3部作を総括すれば、選曲の妙ということになりますね。