2001年10月2日掲載
Janet Seidel        Little Jazz Bird
La Brava原盤     1990年4月録音

 サイデル4枚買いの最後に取り上げるこの作品は、前の3枚が1990年代の終りの録音に対して、こちらは1990年代前半の吹込みです。1990年から1992年にかけて行なわれた4回のセッションで構成されており、それぞれ編成は違うがコンボをバックにしたものです。魅力的な選曲をクレジットから伺えますが、この時期のサイデルさんは、どのような感じで歌っているのか、非常に楽しみです。

20011002

 先に取り上げた1990年代後半の3枚と比べれば、魅力的な声質に頼って、自分のスタイルを確立し得ていない状態と言える作品。この1枚だけを誰の作品か知らされないで聴いたら、誉め言葉をここで並べていたのでしょうが、先に他の3枚を聴いた状態ではこの感想ですな。

 クリス・コナーがアトランティックから出したガーシュイン集からタイトル曲と「embraceable you」を取り上げていますが、後者の無謀な色気が面白かったですな。

 この数年後にこの部分にジャズ歌手としての魅力が加わっていき、素敵に開花しております。この時期のサイデルさんの魅力を素直に表しているのは、「like someone in love」ですね。