何枚か持っているジュリ・サザーンの作品、まだここで取り上げていなかったのですね。
昨年国内でCD発売されたのが、本作品でありまして、1950年代にデッカで活躍した彼女の代表作の一つだそうです。まだまだこれからという1960年代には一線を退いて、歌の先生になっておられたとか。
こう書きながら、10年以上前に買った彼女の作品の内容が思い出せないでいます。通好みの渋い選曲のこの作品で、随分久しぶりに彼女の歌声を聴くことになります。
ベースとドラムが参加しており、彼女のピアノ弾き語りという編成です。
マフィアの娼婦かと思った。一日煙草3箱吸い、酒もたっぷり。そんな生活で鍛え上げたような、ドスの効いたハスキー声。こんな声だったのかと思いつつ聴き進むと、この声が快感になってくるから可笑しなもんだ。
歌い上げる曲では、サザーンの歌唱力の高さも合間ってこの声が、実に活きています。しかし、感心したのは、ミドルからアップ・テンポの軽快な曲。「let's fall in love」「it's de-lovely」「the gypsy in my soul」「I hadn't anyone till you」というスタンダード曲を、しがれた声でリズミカルに歌っており、実に趣き深い内容になっております。
この翌年に録音された彼女の作品を、だいぶ前に購入したはず。いずれここで取り上げます。