2001年1月23日掲載
Vladimir Shafranov    Movin' Vova!
Atelier Sawano原盤   1998年10月録音

 話題沸騰の澤野商会が掘り起こしたミュージュシャンの中で、その内容と反響の大きさでは、このウラジミール・シャフラノフが最高峰でしょう。今まで2枚復刻してきたのですが、1999年9月にこのコーナーで取り上げた1981年のライブ盤の綺麗さに加えて棘がある演奏に感動し、2000年8月に取り上げた1990年のスタジオ作品には少し首を捻ってしましました。まぁ、世間での高い評価と自分の感想とのギャップのためでしたけどね。

 さてさて澤野さんがここにシャフラノフの新作を世に出しました。30歳、40歳のシャフラノフを今まで掘り起こしたのですが、今回は50歳のシャフラノフ。過去2作と同様に、ピアノ・トリオです。

20010123

 間の取り方やテンポや仕掛け等の曲構成、選曲など抜群の出来なのですが、最も聴く者を引き寄せる魅力は歌心でしょう。個性と言うべきかな。恐らくは2001年に最も聴いたピアノ・トリオ盤と、暮れに僕は言っているかもしれないほどの内容です。最近の欧州ピアノの流れに食傷してきた僕には、シャフラノフのような個性の出現を願って止みません。