2000年8月11日掲載
Vladimir Shafranov    White Nights
Sawano盤             1990年1月録音

 ウラジミール・シャフラノフと言えば、昨年澤野商会から復刻された1981年録音のヘルシンキでのライブ盤が、圧倒的な出来でしたね。この作品はそれから10年後の吹き込みで、アメリカのレーベルから発売され、あっという間に市場から消えたとか。今回の澤野からの復刻にあたり、ジャケットを変更したそうです。ジョージ・ムラーツ(b)とアル・フォスター(d)との、ピアノ・トリオ。ジャズ・ジャイアンツの曲を多く取上げているのが、興味深いです。

20000811

 10年前に比べて幅が広がったのか、いろんな要素を楽しめる盤になっており、どれもそれなりの出来になっており、そこが高い評価になっているのでしょう。しかし僕には掴み所がない作品に、聴けてしまいます。白夜っていうのは切ない雰囲気なのかしりませんが、シャフラノフ作のタイトル曲の切なさが気に入りました。その意味では、「ジャンゴ」も良い出来。「ジャイアント・ステップス」いとも陽気にカラッと演奏しているのに違和感を覚えましたが、これを評価している方もおりますので、それは其々の取りかたってことでしょう。それにしても内ジャケに録音風景写真があるのですが、小さなスタジオですね。ピアノはアップライトです。

 さて、この作品からも10年経っているのですが、50を過ぎた今の彼の演奏を聴いてみたいですね。澤野さんなら、やってくれるかな。