クラウス・ヴァイスは1942年にドイツに生まれ、独学でドラムを覚えたそうです。10代から活動を始め、1960年代には渡欧していたアメリカのそうそうたるミュージュシャンと共演を重ねており、この作品はそんな時に吹き込まれた、欧州のピアノとベースを従えてのものです。こーなると興味は、ピアニストですよね。ロブ・フランケンという1941年にオランダで生まれた方です。このピアニストについていろいろ調べましたが、キーボード奏者として知られていることしか分かりませんでした。彼のピアノ作品は、非常に珍しいとのこと。澤野商会さんからの復刻です。
10曲中7曲がトラディショナルなのですが、その出来が良い。曲独特の雰囲気を、フランケンの誠実でストレートなピアノが、綺麗に表現しています。しかしリーダーのヴァイスは、もう少しタッチの強いピアノを望んだのでは。ヴァイスのドラムが、フランケンを鼓舞するかのような場面がありますね。ベースのロブ・ランジェイスのガッチリした演奏も、効果的です。良い作品なのですがフランケンの別の作品を聴きたくはならず、この作品の持っている雰囲気、それはトラディショナル曲の魅力なのですが、それが印象深い作品です。