2000年8月28日掲載
Jerome Richardson    Roamin' with Richardson
New Jazz原盤            1959年10月録音

 この作品は10年前に再発されたのですが、それまではマスター・テープが発見出来ずに、再発の陽の目をみなかったとか。

 マルチ・リード奏者として知られるジェローム・リチャードソンの、2枚目のリーダー作品です。1920年生まれの彼は、クィンシー・ジョーンズやサド・ジョーンズ等のビッグ・バンドでの活動歴が主である彼にとって、この時期はピアノ・トリオをバックにした自身のコンボを率いていた、貴重な時期にあたります。その意味でこれは、彼のソロを味わえる、数少ない作品の1つになります。リチャード・ワイアンズ(p)、ジョージ・タッカー(b)、チャーリー・パーシップ(d)が参加しています。

20000828

 リチャードソンはビッグ・バンド以外でも、ペギー・リーやジェリー・ロンドンなどの歌伴を行っていたとのこと。これらのことから想像出来る通り、そつのない演奏、言い換えれば特徴のない演奏ですね。コールマン・ホーキンスの影響を感じさせながら、バリトン・サックスで3曲、テナー・サックスで2曲、フルートで1曲、実に楽しそうに演奏しています。