オールスター・セッション、別名寄せ集めセッションが得意のプレスティッジは、1956年から1957年にかけて、同じ楽器を複数揃えての録音を積極的に行なっていました。これも、その中の1枚です。この録音の2ヵ月前に亡くなったブラウニーの後継者としての呼び声が高かったファーマーとバードというトランペッターに、マクリーン(as),バリー・ハリス(p),ワトキンス(b),テーラー(d)という豪華布陣です。
マイルスの録音で有名な「ディグ」が14分も演奏されており、どの場面とっても無駄がない。凄いね、この時代の熱気が感じられます。特に後半のファーマーとバードのペット合戦は圧巻です。バードに関しはシーンに浮上したばかりで勢いのいい演奏は十分想像出きるものですが、ファーマーも実にエキサイティングです。ファーマーはこの時28歳なのですが、この年にプレステスィッジに吹込んだ「ファーマーズ・マーケット」でも聴ける通り落ち着いたプレーの印象が強いだけに、このセッションの溢れる熱気の凄さが余計に実感出来ます。熱い熱い1枚です。