以前にデクスター・ゴードンへの記述で1960年代後半から1970年代半ばまで欧州で活躍と書きましたが、プレスティッジにアメリカでの録音作品を数枚残しています。ただ、話題にはならなかったようですけどね。バリー・ハリスがピアノを弾き、ジェイムス・ムーディ(ts)が2曲だけ参加しています。
アントニオ・カルロス・ジョヴィン作の「メディテイション」、ゴードンがボサノバを吹いた作品っていうのはすぐ頭に思い浮かばないのですが、ゴードン流ボサノバが聴けますよ。ゴリゴリ・テナーとボサノバ、融合しないでしっかりハマッています。可愛い女の娘にチャカを持たせるのは一見無理なようで、しっくりいくケースがあるのですが、まさにこれ。まぁ喩えは気にしないで欲しいのですが、本当に良いですよ。ハリスのピアノも、いつになく硬質の感じで好きです。ゴードンのどんな場合でも出せる実力が、そのまんま出された作品です。