1960年代のジャズ をリアルに体験した方々は、このローランド・カークをゲテモノ扱いし、軽視していたとか。僕がジャズ を聴き始めた1980年代にはカークの作品が、この初期の重要なマーキュリーでの諸作を含めて再発が 結構されており、その意味で日本で彼に対する正当な評価がなされていました。マーキュリーでの5年間 の中でも、2枚目にあたる本作品が一番人気があるのではないかな。ウィントン・ケリーのトリオをバッ クに4曲、アンドリュー・ヒルのバックに6曲収録されています。
イーグルスのホテル・カルフォルニアやサンタナのヨーロッパ が広く日本人に受け入れられたのは、泣き節が重要なポイントでしたね。その意味では、カークは広く 日本人に受け入れられて当然の存在ですよね。タイトル曲や「ゲット・アウト・オブ・タウン」はカー クのオリジナルではありませんが、見事に泣き節っていうか、カーク節に仕上がっていますね。もう一つ の彼の魅力の爆発カークを満喫出きる曲もあり、彼の初期の傑作という評価は当然の内容です。今回久し ぶりに聴いたら、上述のカークに酔いながらも、ブラウニーの名演で有名なバラッド「タイム」での、 美しいカークに酔ってしまいました。